リッカート尺度は何件法にするか|5件法・7件法と中間選択肢の選び方
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リッカート尺度を自作するときは、何件法にするか、中間の「どちらともいえない」を入れるか、ラベルと数値をどう付けるかを決める必要があります。既存の尺度を使うときの注意と、Web で回答を集めるときの工夫をまとめます。
リッカート尺度は、「まったくあてはまらない」から「非常にあてはまる」までの段階から 1 つを選んでもらう回答形式です。心理学の質問紙で最もよく使われる形式ですが、自分で項目を作るときは、何段階にするか、真ん中の選択肢を入れるかを決める必要があります。
先に確かめること: 既存の尺度は原典に合わせる
信頼性や妥当性が検討された既存の尺度を使う場合は、件法・選択肢の言葉・数値の振り方を原典に合わせます。件法を変えると、原典で報告された平均値や信頼性係数と比べられなくなります。変える理由があるときは、変えたことを論文に書きます。
ここから先は、自分で項目を作る場合や、原典に指定がない場合の考え方です。
何件法にするか

図 1 4 件法・5 件法・7 件法。奇数にすると中央に中間の選択肢が入る
心理学の質問紙では 5 件法と 7 件法がよく使われます。段階を増やすと細かい差を拾いやすくなりますが、回答者が区別できる段階には限りがあります。信頼性や妥当性は 2〜4 件法では低めで、7〜10 件法あたりまで段階を増やすと高くなったという報告があります(Preston & Colman, 2000)。
- 5 件法: 全段階に言葉のラベルを付けやすく、回答者が迷いにくい
- 7 件法: 細かい差を拾いやすい。ラベルは両端と中央だけに付けることも多い
- 4 件法・6 件法: 中間の選択肢を置かない(次の節)
スマートフォンで回答してもらう場合は、選択肢が多いほど横幅が足りなくなります。7 件法の全段階にラベルを付けると、ラベルが折り返して読みにくくなることがあるので、実際の画面で確かめておきましょう。
中間の選択肢を入れるか
奇数の件法にすると、中央に「どちらともいえない」が入ります。中間の選択肢は、本当に中間の意見を持つ人には必要な選択肢です。一方で、考えるのを避けたい人や、質問の意味が分からなかった人の逃げ場にもなります。
- 中間の意見がありうる質問なら、中間を入れる(奇数)
- どちらかに態度を決めてほしい質問なら、中間を除く(偶数)
- 「わからない」「当てはまらない」を区別したいなら、尺度とは別の選択肢として用意する
「どちらともいえない」と「わからない」は意味が違います。両方を中央の 1 つにまとめると、分析のときに区別できません。
ラベルの付け方
全段階に言葉を付けるか、両端だけに付けるかを決めます。全段階に付けると各段階の意味がはっきりしますが、言葉の間隔が等しく感じられるとは限りません(「やや」と「かなり」の差など)。両端だけにすると段階の間隔は等しく見えやすくなりますが、途中の段階の意味は回答者に任されます。
どちらにする場合も、質問紙の中で選択肢の向きと言葉をそろえると、回答者が迷いにくくなります。
数値の振り方と逆転項目
選択肢に振る数値は 1〜5 が一般的ですが、0 から始めたり、−2〜+2 のように中央を 0 にしたりすることもあります。原典やこれまでの研究に合わせて、分析の前に決めておきます。
質問の向きが逆の項目(逆転項目)は、集計の前に得点を反転させます。反転の計算と、逆転項目を入れるときの注意は逆転項目の記事にまとめています。
マトリックス形式とストレートライニング
同じ選択肢を使う項目は、表の形(マトリックス形式)にまとめると回答の手間が減ります。ただし項目が多い表では、すべての項目で同じ選択肢を選び続ける回答(ストレートライニング)が起きやすくなります。

図 2 マトリックス形式のリッカート尺度(Psynaut の回答画面)
- 1 つの表に並べる項目を多くしすぎない
- 逆転項目を混ぜておくと、すべて同じ値の回答が矛盾した回答として目立つ
- 注意確認項目を入れる(注意確認項目の記事)
リッカート尺度のデータを分析するとき
1 項目の回答は順序のある段階なので、厳密には順序尺度です。複数の項目を合計した尺度得点は、間隔尺度に近いものとして平均を求め、t 検定や分散分析で比べることが多くあります。1 項目だけを比べる場合や、回答が端に偏っている場合は、Mann–Whitney の U 検定のような順位にもとづく検定も検討します。
Psynaut でリッカート尺度をつくる
- 2〜7 件法を選べます。
- 各段階のラベルと、記録する数値を設定できます(0 から始めることもできます)。
- ラベルは全項目に共通のものと、項目ごとに別のものを選べます。
- 複数の項目をマトリックス形式で並べられます。
- 項目に逆転項目の印と、下位尺度のタグを付けられます。
- 除外条件「全項目が同じ値」で、ストレートライニングの回答を分析対象から外せます。
- セクション内の質問の並びをランダムにできます。
回答画面は質問形式のデモでログインせずに試せます。
参考文献
- Preston, C. C., & Colman, A. M. (2000). Optimal number of response categories in rating scales: Reliability, validity, discriminating power, and respondent preferences. Acta Psychologica, 104(1), 1–15. https://doi.org/10.1016/S0001-6918(99)00050-5
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